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不合格にならない高校入試

不合格にならない高校入試

目次

高校の先生に私は聞きました。
「受験生はどんな勉強をすればいいのですか?」
すると、その先生は、こんなことを言いました。

 はじめに

中3になって入塾する生徒を見て、いつも感じることがあります。それは、
「もう少し早ければ、志望校に楽に入れたのに。」
ということです。

今まで4,000人以上の生徒を指導してきた経験からいうと、
「合格するお子さんには、合格するなりの、不合格になるお子さんにはそれ なりの理由がある」のです。

今回のこのブログを参考にして是非あなたのお子さんの高校入試にお役立て下さい。

このレポートは、「群馬県の公立高校を受験するお子さんと保護者様の方」 向けに作成したものです。

しかし、他のエリアに住む高校受験生にとっても役に立つ情報であることは間違いないと自負しています。

もし、受験生の方がいらしたらご本人にも、見せてあげてください。

なお、あなたの周りで、「公立高校」を希望されている保護者の方がいらっしゃいましたら、どうぞこの内容を教えてあげてください。もちろん、ライバルでない方ですが…(笑)

24 分間の天国と地獄

「ウォ-。」 「やった-。」 数年前の 3 月 15 日午前 10 時。歓声が上がった。そして、24 分間のドラマ は始まった。

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今日は朝から、何だか、ソワソワしていた。午前 7 時 40 分。

時間的にはま だ早いが、私は、急いで車に乗り込んだ。

「合格発表日」

この緊張は、何十回と経験しても変わらない。早いスピードで車を走らせ ながら、今年、卒業した生徒のことを思い出した。

「先生、メッチャ緊張してるじゃん。」 余裕で合格するはずの S 君も試験前は緊張していた。また、成績がギリギ リだった2人。当日は「できた」と言っていたが本当に大丈夫だったのだろうか?

毎年、後悔する。

「今年は絶対に、全員余裕で志望校に合格させる!」

と受験生を受け持ったときは、強く決意するが、子どもたちに、この「想い」 はなかなか伝わらない。

「すぐに投げ出す。」

「宿題をキチンとしない。」

「難しい問題を飛ばす。」

そのときは、それですむが、その後には怖い現実が待っている。本当に、 これから繰り広げられるドラマを見るたびに強く想う。「絶対に合格してもらわないと。本人の行きたい高校に。」と…。

そして合格発表会場。思いのほか早く着いた。時間は「9 時 25 分」。しば らく、車の中でじっとしていたが、いてもたってもいられず、外に出た。外 は、寒く、途中の車から見た、道路の温度計掲示板は「3℃」を示していた。

高校の校門を通ると、校門の周りには、新高校生を勧誘するための、塾や予備校のスタッフがパンフレットを配っていた。

私が校門に入る時には、両手に一杯のパンフレットがたまっていた。それをおもむろに鞄につっこむと、発表場所へ急いだ。 発表会場には人影がまばら…。

近くには、父親ときている別の男の子がい た。2人とも落ち着かない様子。「ボソボソ」と話す。何ともいえない緊張感。

時間は中々進まない。だが、少しずつ人が増えてきた。

「よう○○!」 と同じ中学校の生徒だったであろう男の子同士が声を掛け合う場面も見ら れ始めた。

そして、だんだんと親子連れが校門から発表場所に集まってきた。 そして10分前、にわかにざわつき始める発表掲示板の前。

そして、さらに人が集まりだした。番号を掲示する職員が現れたのだ。

合格結果を掲示する担当の先生が腕時計を確認する。何度も時計を見る。

人だかりが急に掲示板の周りに集まり始めた。時計が10時をさす。

と同時 に、受験番号が書かれた模造紙が掲示板に貼り出された。「ウォ-。」「やった-。」「ヨッシャー。」

悲鳴にも似た歓声が上がる。掲示板前では、歓声がさらに続く。私の目の 前では、合格した者がガッツポーズをして、拳をアッパーのように突き上げ た。

泣き出す男の子。付き添いの母親がもらい泣きし、ハンカチを取り出して、 目じりを拭く。友達どうしで、肩を組み合う者。塾の先生だろうか。その4人のグループと肩を組んで写真を撮る。

さらに何人かは、我が子の合格番号をスマホのカメラで撮っていた。その 横では、携帯を取り出し、急いで電話をかける子の姿が。

「お母さん!あった!!番号あった!!!」

遠くから、疾風のように掲示板までやってきて、「オッシャー。やった!」 と大きな雄叫びをあげガッツポーズをする者。

このときが受験生にとって至福のとき…。

そして、もう一方…。不安そうな親子連れ。子どもは不安でたまらない…。

「お母さん、怖くて見れない。お願い見てきて。」

「えっと番号は…。231の次は235」

「えっ。235…。235!」

「…。」

「ない。ないよ…。」

「…」

そう言って、子どもは目を伏せた。そして、絶望にも似た顔となる。何と も言えない雰囲気が流れ、彼の目には涙があふれた。気落ちした我が子を抱 えるように、母親は帰っていった。

また、携帯電話に向かって

「無かった、お母さん。ごめんね。お父さんに謝っておいて。『ごめん』っ て。」

そう言って、携帯を切る少年。

10 時 23 分。ほとんどの人が帰ってしまってから、1人でトボトボと歩いてきて、受験番号を確認する男の子。

サッと、顔色が変わり元気なく帰る…。

私は「喜びの姿」と「悲しみの姿」の両方をみて複雑な気持ちになりながら、目の前で起こったことを噛み締めていた。そのとき、時計は午前10時 24 分。

私は「24 分間のドラマ」の会場を後にした。


公立中学校に入ったからには、

高校受験は必ず訪れます。そして、そのときは、

「合格」「不合格」

というどちらかの結果が待っています。想像してみて下さい。

この「合格した人」と「不合格になった人」。

努力をしても報われないときもあるかもしれません。しかし、合格した人は 間違いなく、それ相応の努力をしているものです。

受験がある限り、このドラマは続きます。ぜひ「受験生」や「受験する予 定」のお子さんには、この事実を話してあげてください。そして、こう伝えてあげてください。

「受験に明日はない。全ては今日。今やるべきことは、今やる。」

今日のこのブログの最初にこの話しをもってきたのには、理由があります。

それは、受験にかぎらず「本人が自覚しない限り、成績は上がらない」からです。まずは、受験のあとに訪れるドラマをしっかりとリアルに頭に描いて、 これからの勉強に取り組んでください。

不合格になる人の共通点とは?その1

4,000 人以上の生徒を指導してきた経験からまとめますと、やはり不合格に なる人は、不合格になるだけの理由があります。受験経験者にとっては、当 たり前のことかもしれませんが、それをしっかりと把握し、対策を打つ必要 があります。

その理由は以下の4つです。

① 受験勉強のスタートが遅かったから
② 自分の実力と志望校との差が開きすぎていたから
③ 最後の最後で、油断したから。逆に緊張しすぎたから
④ 勉強の方法が間違っていた

それでは1つ1つ解説していきましょう。

① 受験勉強のスタートが遅かったから

これは、次の②とも大きくかわってきますが、受験勉強のスタート時期が 遅い人は志望校が不合格になりやすくなります。私の運営していた塾では2学期からの中3生の受け入れは行っていなかったのですが、

毎年のように中3の秋になってから塾に問い合わせをしてくる人がいます。

その時に強く感じるのが「もう少し早ければ」という思いです。

確かに中3の2学期になってからでも逆転合格出来る人もいますが、それには、ある一定の条件をクリアした人でないとなかなか合格出来ません。

しかも、ほとんどの生徒が、その条件をクリア出来ないのです。その条件を挙げますと、

1.お子さん自身に理解力(読解力)がとてもあること
2.一定時間で多くの問題を解ける人で集中力と体力があること
3.志望校に対して強い執着があること

です。

これらの条件を満たす子に出会うのは、本当に数少ないことです。
だから入試直前になって志望校のランクを下げないためには、
やはり受験勉強のスタートは早い方が良いのです。

志望校によって身につけるべき知識や問題演習をする量は
ほぼ決まっています。

簡単にいうと、夏休みの宿題と同じで、やるべき課題がきまっているので、
それを毎日少しずつマスターしていくのか、直前になって、それをまとめてやってしまうのか?という違いです。

当然、無理なく続けるには、毎日少しずつ課題をクリアしていく方がいいですよね。

② 自分の実力と志望校との差が開きすぎている

「目標得点を取るために、どれくらい時間がかかるか?」を知ること

毎年、受験指導をしていると、中には「本当に無茶な志望校」を希望される人がいます。「自分の実力と志望校の差が開きすぎている」のです。大抵 の場合は、その差を埋めるのに大変な時間と労力がかかるということを理解 できていません。つまり、

担任
担任
得点するために何をやらないといけないのかな?
担任
担任
どれだけ?
いつまで?

を把握できていないのです。

わかりやすく、「中間テスト・期末テスト」といった定期テストで説明してみましょう。私は、「勉強には時間をかけることが必要」ということを伝えるために、こういった例え話をします。

担任
担任
〇〇くん、あなたは学校に登校するまで、どれ位の時間がかかるの?
生徒
生徒
15分くらい
担任
担任
そうなんだ。それじゃ何時に朝、家を出るの?
生徒
生徒
8時15分に出ていきます。
担任
担任
それじゃあね。もし君が朝、目が覚めたとき、8時15分だったらどう するの?
生徒
生徒
慌てて走っていく。
担任
担任
そうだよね。慌てるよね。それじゃ、なんで慌てるの?
生徒
生徒
学校に遅刻するから。
担任
担任
それは自分で、よく分かっているんだね。
生徒
生徒
うん。だって学校まで15分はかかるのは分かっているから。
担任
担任
そうだよね。自分で学校まで15分かかると分かっているから慌てるんだね。
生徒
生徒
うん。
担任
担任
それはね。勉強も同じなんだよ。実は定期テストが近づいているのに勉強しない子のほとんどは、『自分が取りたい点数を取るためには、どれだけ の時間がかかるか』を知らないからなんだよ。
担任
担任
まずは、自分でどれくらい勉強すると目標点を確実に取れるかを知ること。これがポイントだよ。

という話しをする訳です。「わかりますか?」学校まで登校するのに15分かかることが分かれば、登校時間15分前が近づくと慌てるように、

 

試験勉強の第一歩

勉強も「目標得点を取るために、どれくらい時間がかかるか?」を知ることが、 「試験勉強の第一歩」なのです。このことを知るのに更に分かりやすいよう に実際の科目で説明します。

例えば、「学校のテストで 90 点を取りたい」という目標を掲げたとします。 もちろん、その子の今の実力によって勉強すべき量は大きく変わってきますから、平均的な成績で、平均的な能力の方を対象と考えますね。

通常の場合、数学のテストは『学校ワーク』から出題されることが多いので、この『学校ワークを終わらせる』ということを課題にしますね。

ページ 数でいうと「テスト範囲が20ページ」とします。すると、子どもたちは「20ページを一生懸命やれば、90点以上は取れる」と考えます。

しかし、実際の場合は問題を一度やっただけでマスターできる子はほとんどいません。 勉強は『課題を終わらせることではなく、課題で果たされた単元を理解し学力を身につけるか』が大切なのです。

すると「最低でも3回はやる。」となってきます。

もちろん、これは人によって差があるので、

2回で出来る子もいれば、

5回やっても出来ない子もいます。

それをやってみて把握しないと出来ませんが、ここでは「3回でマスター出来る」と仮定しておきましょう。すると、全部で「やるべきページ数」は

20ページ×3回=60ページ

となります。

課題を何時間で終えることができるのか?計算する

そこで「この60ページをあなたは何時間でこなすことが出来るか」という計算をする必要があるわけです。ワークの内容(学習単元) にもよりますが、大抵のお子さんは「1時間で3~4ページ」しか進みません。もし3ページ進むとすると、

60ページ÷3ページ/時間=20時間

かかるという計算になります。いかがですか?「20時間」というと「1日 4時間勉強をしても、5日間かかる」ということです。実は、ほとんどのお子さんも保護者の方もこれだけの時間がかかるということをあまりご存知 ない方が多い。

もちろん、回数が少なくてマスター出来れば、それに越したことはありません。しかし、なかなか1度でマスターできないので、最低で も2回以上繰り返す必要が出てくるわけです。

もちろん、1時間でこなせるページの量が多ければ、もっと短い時間で出来ますし、逆にもっと1時間で進められるページ数が少なければさらに時間 がかかってしまいます。

でも、こう考えるだけで具体的に必要な学習時間が見えてきますよね。

仮に今回のように1科目に20時間かかるとすると5科目で

20時間×5科目=100時間

かかるということがわかります。そうすると、次のテストで目標点を取る ために

100時間

勉強時間が必要だ、ということが理解できます。こうして、お子さんが受験勉強をするときに 「何を」「どこまで」「どれくらい」やらないといけないか?について理解を深める必要があります。

これがわかって、今の自分より偏差値の高い学校にチャレンジをするので あればいいのですが、大抵は、それも分からないでチャレンジするので、不合格になってしまいます。

不合格になる生徒の共通点 まとめ

① 受験勉強のスタートが遅かったから

志望校によって勉強すべき時間と知識の量はほぼ決まっているのに入試直前になってその全てを網羅するのはほぼ不可能。早めのスタートが大事

② 自分の実力と志望校との差が開きすぎていたから

志望校合格のために「何を」「どこまで」「どれくらい」やらないといけないか?について理解を深める必要がある。

③ 最後の最後で、油断したから。逆に緊張しすぎたから

④ 勉強の方法が間違っていた

についてはまた次回

続く

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